京都竹カフェ|イベント報告

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2011年2月17日(木) リレー講演会 「生活文化と竹との関わり」
「生活文化と竹との関わり」

講師:京都精華大学教授 佐藤敬二先生

「京都竹カフェリレー講演会」は、竹の文化の造詣に深い講師をお招きし、「京都の伝統文化と竹」を切り口にして身の周りにある(あった?)竹について皆さんと一緒に考える機会として、3回シリーズで開催されました。

第1回目は、京都精華大学で工芸を教える佐藤敬二教授による、「座をテーマとした“くつろぎ”の空間に適した竹製小家具デザインの提案」についてのお話。

 

 竹垣や建築銘竹、茶・華道具、すだれ、割烹食器などにみられる京都の銘竹、竹工芸の意匠・加工技術は全国的にも非常に優れているそうです。しかし、ライフスタイルの変化や茶・華道を嗜む人の数が頭打ちになったこと、高コスト化や他地域産製品の台頭などにより京銘竹・竹工芸業界にとって厳しい状況となりました。しかし、環境にやさしく素晴らしい特性を持った竹をもっと利用するべきだと、新たに現代のライフスタイルにあった竹素材利用のデザイン研究が行われました。佐藤先生には、その結果と、竹素材の特性と利用の変遷、デザインの系譜について詳しくお話をいただきました。

 

まずは、素材としての竹の特性について説明いただきました。

1)割裂性:珪酸を含んだ竹は、木材の約2倍の割裂性を持っています。カゴ、ザル、すだれ、扇子や茶筅は、この性質を生かして作られています。

2)弾力性:引っ張りの強さは杉の20〜30倍!特に弾力性の強いマダを使って弓、ホテイチクやメダケ・ヤダケを使って釣り竿が作られました。

3)抵抗・負担力:木材に比べて直角に軸を挫折させる力に強い竹は、伝統的に屋根の垂木やはしご、物干し竿などに使われてきました。

4)抗挫力・抵圧力:床柱、机の足、杖、傘の柄、竹くぎなどが作られてきました。

5)空洞の利用:空洞を利用して尺八や笙などの笛類に多用されてきました。

6)伸縮性が少ない:木材に比べて狂いが出にくく、物差しや計算尺が作られてきました。

 竹があらゆる所に生息する気候風土に恵まれた日本では、以上のような竹素材のすばらしい特性を生かして生活に取り入れ、暮らしを豊かにしてきたとのことです。

次に、竹工芸品の変遷、そして近代のインテリアにおける竹についてお話いただきました。

 

 奈良時代:法隆寺に伝わる竹の厨子が日本最古の竹工芸品とされており、761年にさかのぼります。他、正倉院に伝わる竹の幹をそのまま利用した笛類や竹の皮の編カゴなどがあります。

 中世:奈良時代に唐から伝来した技術によって発達した竹工芸は、平安・鎌倉時代を経て日本的な感覚となっていきました。それは茶人の道具に最も顕著に表れ、素朴な素材の魅力がわびさびと共に見いだされていました。

 近世:大名の保護のもと、地方工芸が産業として発達し、同時に著名な工芸家も現れました。また、形式化した抹茶に対抗して煎茶が発達し、より自由な竹工芸の世界が展開されました。

 近代〜現代:カゴが工芸品として洗練を極める中、工芸は職人によるものというより作家による作品としての評価を得始めます。しかしながら漆器や陶磁器に比べて竹工芸が近代デザインの系譜に入るのは遅く、大正期の工芸運動を契機にしてようやく実現しました。その後、昭和初期に活躍した飯塚琅?斎(1890〜1958)らにより、竹工芸は芸術的なレベルに引き上げられました。

 近代のインテリアデザインにおける竹利用は、まず「和洋折衷」をキーワードに展開します。特に日本的な意匠を凝らした国粋主義のものや、日本芸術を取り入れて発展した西洋の近代デザインの逆輸入に、竹工芸の応用がみられるようになります。また、数奇屋ベースと書院造ベースの建築および家具類に、それぞれ特徴のある竹工芸が取り入れられていきます。藤井厚二(1888〜1936)設計の「聴竹居」(昭和2年)などは数奇屋ベースの代表的な例といえます。

 次に、明治末から大正期の民芸運動では柳宋悦(1889〜1961)らが民家風・農家風の竹工芸の魅力を再発見しました。

 そして、昭和初期より日本近代調の竹工芸が展開します。国立商工省工芸指導所において外国からブルーノ・タウト(1880〜1938)ら西洋近代デザインの巨匠が招聘され、「見る工芸から使う工芸へ」とのコンセプトのもと、素材の強度にも焦点を当てながらデザインが研究されました。戦後も、新たな技術や素材を取り入れながらも、日本固有の感覚を有した竹工芸は様々に展開されました。著名なものにはイサム・ノグチ(1904〜1988)と剣持勇(1912〜1971)の竹製家具があります。

時代背景を反映させながら、竹の利用が多様化し洗練されていく過程がわかりますね。

 

 最後に、「座・NEW WAVE シリーズ」の開発から生まれた家具の数々を紹介していただきました。木材は、建材として使えるまで100年かかるけれど、竹は3年で十分。そんな竹をインテリア素材としてもっと見直すべき・・・そんな想いとともに、京銘竹・竹工芸品振興を目的に、竹青会(京都竹材商業協同組合青年会)を中心とした竹工芸製造業数社とともに進められた竹製小家具デザイン「座・NEW WAVEシリーズ」は、竹の集成材を生かして異種素材と組み合わせ、現代生活にあったくつろぎの空間に適したものとして企画・デザイン・制作されたもの。コンセプトは、「座る」を中心とした新しいくつろぎ生活の追求と、竹という自然素材の温かみと存在感ある造形・色を生かすこと。造形イメージはWARM(暖かい)、SOFT(柔らかい)。

 

 竹素材の特性を充分に生かし、竹工芸・デザインの系譜を経て、新しく現代に生まれた竹利用の試みは、心地よさと美しさを併せ持つ意匠からも伐り開かれていました。

竹らしさの抑制の表現としての集成材の利用や、丸竹と異素材との組み合わせによる家具には、洗練された日本らしさ、自然素材の暖かみとやさしさが居合わせており、私も是非使ってみたいと思いました!

佐藤先生、どうもありがとうございました。

参考URL: http://www.kyoto-np.co.jp/kp/special/dento/dento306.html

2010年度

2011年3月26.27日(土・日)

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2011年3月17日(木)

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2011年3月6日(日)

  • 竹まなびツアー「竹メッセ in たき」

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2011年3月3日(木)

  • 「自然に育まれた生活と文化を創る?竹素材の優しさと安らぎ?」

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2011年2月17日(木)

  • リレー講演会 「生活文化と竹との関わり」

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2010年12月4日(土)

  • 竹まなびツアー

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